ゴールデンウイークに、上野で冷汗(後編)。
皆さんゴールデンウィークは、何かスペシャルな事ありましたか?!
残念ながら僕は、特別な事は何もなかったな・・・。
特別なイベントへの顔出しと言うと、築地春祭りに行ったぐらいかな・・・。
この築地夏祭りは、この記事書いた後にでも、着手します。
このゴールデンウイークは、他には、家族でサイゼリア行ったり、地元のラーメン屋『じぇんとる麺』に行ったり、天狗でランチ食べたり、そんなんで終わっちまいましたね(笑)。
たった一つ、どこかに行こうと言うのは、上野西洋美術館でやってる、ラファエロ展に行こうとした位でしたね。
そんな訳で、前述の様に、僕たち家族は、上野のお山に向かったんですが。
正直美術より食い気のうちの家族は、上野野お山に向かう前に、アメ横の裏ストリートの居酒屋『地魚屋台浜ちゃん』で、軽く食事と軽く一杯(笑)。
どうも、落ち着き過ぎたか、時間は二時半を軽く過ぎてましたね。
いや、三時近くって表現の方が的確ですね。
西洋美術館は五時半には閉館、しかもチケットは二枚しかなく、家族で入るには、もう一枚チケットを買わなきゃならない。
もしチケット売り場が混んでたら、更に時間はなくなる、でも酒も入って、ぐうたら家族三人、どうにも行動が遅くなりがち(笑)。
上野のお山の西郷さんも、連休日和にご機嫌顔です(笑)。
西郷さんを超えて、山に入ると、何故か、嫌な感じ。
何なんだろう、この変な感覚、何かが来てるんですよ。
それは、森に進むうちに、聴覚にしっかりと働きかけて来た。
何かが聞こえてくるんですよ・・・。
それはだんだん子供の鳴き声の様な・・。
でも、それが、子供の声だとしたら、それは絶叫。
山の中と言っても、人通りの多いこの上野の山で、虐待もないだろう。
なんか事故、かなり嫌な気分は深まりましたね。
足を進めるうちに、その声の発生源を発見、山道からちょっと山の中に上がった処で、ひと組の男女が、物凄い勢いで言い争っているじゃありませんか・・。
でも、見てると、それは言い争いの範疇で、男性は、手は出してないみたいです。
しかし、この女性の絶叫は、ちょっと凄すぎですね・・・。
実は、前日もちょいとあったんですよ・・・・。
地元でヤバめなおっさんが、じいちゃんに喧嘩ふっかけ様としてて、ロクでもない恫喝してたんで、そのおっさんビビらせて、揉め事終了させたりしたんですが・・。
まあ、こんなのよく在る話しなんですが、此方は男女の痴話喧嘩、まして暴力沙汰って訳じゃなし、しかも激高してるのは女性だけとなると、こりゃ顔を突っ込む余地も無しって感じですよね。
どうしようかなと思って見てたんですが、なんかこれ以上悪くもならんだろうとの予想の元、その場を去る事に。
それで、しばらく歩いたら、又々聞こえて来る、狂気の絶唱・・・。
これにカミさんが反応、さっさとさっきの場所に戻っていくではありませんか・・・・。
おい、おい、何、やってんだよ、野次馬もたいがいにしろよと、仕方無しに娘と僕も付いて行き、結局またもやさっきの修羅場の麓に。
なんか、さっきより野次馬増えてますね・・・。
よしてくれよなんて、思って娘に同意を求めようとしたら、なんか娘もはまっちゃったみたい・・・。
あ〜あ、やだやだ、此れだから女は嫌だなんて、普段の自分を棚に上げて、かなり愚痴り気味。
マジ展覧会終わちゃうよ、なんてぶつくさ言いながら、そんなゴールデンウィークの修羅場を見てたら、なんかだんだんエスカレート気味、女性が男性の首絞めたり、殴ったり。
男性も「いい加減にしろよ」と押し倒したり。
いやあ、どうしたもんでしょうね・・・。
なんか麓にや、修学旅行生まで集まって、なんだか派手になって来ましたよ!!
話は分からないけど、一体何が二人にあったのか、僕には全く興味の無い話です。
それより、ラファエロの時間が気になって、気になって。
ってそんな時、一人の粋なおばさんが、山に登っていき、言い争ってた女性を連れて降りてきました。
何故かそのおばさん、僕たちの方にその女性を連れてきて、もう大丈夫だからね、可哀想にって始めちゃいました。
あ〜あ、連れてきちゃったよなんて思いながら女性の顔をみたら、ちょっとぞっとするものを感じつつ、そのお腹を見たら、なんと妊娠してて、かなりの大きなお腹をしてるじゃないですか・・・。
エッツ、妊婦さん・・・・・・!!!
これには、ちょっとビックリしたと言うか、こんなお腹の大きな女性が、あんなに悲鳴の様な絶叫をあげて、男とやりあってるなんて・・・。
しかも、この子、うちの娘と同じか、ひょっとしたら年下ななじゃないかって感じの若さ。
身なりは、派手ではなく、清楚ながら、フアンシーな服装。
ほんと、普通の女性と言う感じ。
でも、その表情は、かなり異様なものがありましたよ。
やめてくれよ、何やってんだって思いが膨らみ、ちょっと僕のスイッチ入っちゃったみたいで、その女性連れて、男の元まで連れて行ってしまってましたよ。
なんか、男の方は頭抱えて座り込んでましたが、立ち上がったその姿、やっぱり普通の若い男の子でしたね。
二十ちょっとの男女、そして妊娠、これは結構ヘビーな話になりそうです。
妊娠させた上の別れ話か、認知を巡ってのイザコザかと思ったのですが、聞くと、何と二人は、夫婦との事。
えっ、もうすぐ父親、母親に成ろうと言う二人が、一体何をやってるんだよと、その常識外れ振りに、怒りも覚えましたが、母親の事も考えて、なるべくソフトに話しを聞く事に。
女性の目を見ると、かなり精神的に疲弊した状態。
彼女のマリッジブルーは、既にかなりやばいステージに来てるのかもしれない。
しかも、かなり痩せたその女性のお腹は、目立ち難いものの、もう七、八ヶ月は過ぎているかもしれない状態。
これは、かなり難しい問題であるとともに、かなり危険な状況かもしれません。
妊娠中の浮気かと思うと、何と原因は、夫の暴力との事。
しかし、二人に確認しても、それは過去の事で、現在は暴力は、振るってないとの事。
実際、あの修羅場に於いても僕が見る限りは、夫は、妻に手を上げては無かった様だし、精神的に参っている妻に動物でも見せて、気分を変えて貰おうと、上野に連れて来たとの事、まあ今は、ちゃんと妻を気遣う気持ちは在るとも思われる。
はた目には、いくらでも良いお父さんに成れそうな好青年にもみえます。
でも、実際彼は、暴力を振るっていた。
そして、彼女は、明らかに精神のコントロールに不調をきたしている。
どうして暴力を振るったのかを聴く事は避け、兎に角過去を捨て、新たなる生命の誕生、そして新たに、父親、母親として、全く別な人生が待って居る事を説き、説得するが、落ち着いて僕の話しを聴いては、くれてるものの、彼女の目を見る限り納得してくれた感じは、全く感じられません。
そして、彼女の一言『こんなの要らない……』。
えっ、こんなの……。
これは、絶句してしまいましたね。
此れから生まれる命に対してこんなのって……。
その後彼女の口から続くこんなの要らないの言葉。
『こんなの要らない……』
『こんなの要らない……』
やめてくれよ、マジやめてくれよ。
これは、街でオヤジの喧嘩を止めてたような事とは訳が違う、こんなの僕の手に負い切れる問題じゃ無い事を実感。
ある種の恐怖も感じましたね。
旦那は、何とか彼女と接しようとしてますが、まだ二十歳越えたばかりの元DV旦那に、此れだけ心を閉ざしちゃってる奥さんの心を開くのは、きっと無理なんじゃないかと思ってしまう。
時間だけは過ぎていき、話しは、堂々巡りのスパイラル地獄。
ただ、二人とも僕の話しをちゃんと聞いてくれてるし、旦那の方は、すがってさえ来てくれます。
二人とも誰かの助けを必要としているのは、確かにです。
でも、いったい誰がこの二人を助けられるのか……。
考えれば考える程絶望的な気分に成ってしまいます。
時間は、四時を回り、寒く成ってきたので、身体に良くないよと言うと、旦那が彼女に自分の着て居たジャケットをかけた。
何でそんな優しさを持つ男が、愛すべき妻に暴力なんて振るったんだ……。
何でこんなにしてしまったんだと、悲しくさえ成ってくる。
ある程度落ち着いた彼女と彼を山からおろし、兎に角もう一度頑張ってごらんとさとし、彼等と別れる事に。
しかし、本音は、何の解決にも成ってない事、そして、なんか結局僕は逃げただけじゃないかと言う敗北感。
ほんと、此れからどうなるのか、全く予想もつきません。
生まれるてくる、子供の事を考えれば、悪い事しか浮かんできません。
生まれるて来た子供を二グレクト、虐待。
もし、奥さんが今以上に壊れた時、旦那がどうなるかも分かりません。
悪く考え無い方が良いのは、その通りですが、彼女のお腹の子に、かなり良くない未来が待ってる可能性は捨てきれません。
でも、これ以上僕に何が出来るんだと、考えれば考える程ブルーになるばかり。
結局ラファエロは、時間がまともに取れないだろうと、次回に回しました。
今月いっぱいは、やってますからね。
しかし、今でも、あの若き母親になるべき女性の顔が頭に浮かび、ハットする事があります。
『こんなの要らない……』。
『こんなの要らない……』。
ああ、キツイですよ。
何処の誰かも知りませんが、元気に成ってくれたかな……。
生まれて来る子供達の未来が、決して平等で無い事は、分かっています。
もっと悲惨な運命のもと、この世に生を受けて来る子供達もいっぱいいます。
生きるって何なんでしょうね。
なんか、日本中浮かれている、ゴールデンウィークのさなかに、何故か上野のお山で出くわした修羅場は、極楽キリギリスの僕に、結構ブルーな影を落としてくれました。
再び彼女達に会う事は無いと思います、もし会う事があったら、幸せそうなパパとママの笑顔を見せて貰いたいものです。
なんかゴールデンウィーク明けに、暗い話しですみませんでした。
とんでもない、スペシャル話しを披露してしまいましたね……。
皆さんは、毎日を楽しくお過ごし下さいね!!
家族仲良くが一番ですよ!!